Zippoはいつ、どこで生まれたのか
Zippoが生まれたのは1932年、アメリカ・ペンシルベニア州のブラッドフォードという小さな町です。創業者はジョージ・G・ブレイズデル。知人が使っていた外国製のオイルライターを見て、「もっと使いやすく、見た目もよいものを作れないか」と考えたことが始まりと伝えられています。
ブレイズデルは、手に収まる長方形のケース、ヒンジでつながったフタ、そして炎を風から守るチムニー(風防)を組み合わせました。片手で開けて、片手で火をつけられる。このわかりやすさが、Zippoの基本形として今も受け継がれています。「Zippo」という名前は、当時新しい発明として話題だったジッパー(zipper)の響きが気に入って名づけたという話がよく知られています。
兵士とともに世界へ広まった
Zippoの名を世界に広めたのが第二次世界大戦です。この時期、Zippoは軍向けの生産に力を注ぎ、多くのアメリカ兵がZippoをポケットに入れて戦地へ向かいました。風の強い屋外でも火がつく頑丈さは兵士たちに重宝され、戦後、彼らとともにZippoの評判が世界中に伝わっていきました。真鍮が不足したこの時期には、スチールのケースに黒いざらざらした塗装を施したZippoも作られています。
その後もZippoは本社のあるブラッドフォードで作り続けられ、広告や記念品、コレクションの対象としても親しまれるようになりました。基本の形がほとんど変わっていないので、古いZippoと新しいZippoを並べても、ひと目で同じ道具だとわかります。これも長く愛される理由のひとつでしょう。
Zippoはなぜ風の中でも消えないのか(構造としくみ)
Zippoは大きく分けて、外側のケースと、中に差し込まれたインサイドユニットの2つでできています。インサイドユニットは指でつまんで引き抜けるので、オイルの補充やフリント交換も工具なしでできます。
- ケース:本体の外側。下ケースとフタがヒンジでつながっています。彫刻や印刷をするのは主にここです
- チムニー(風防):炎のまわりを囲む穴のあいた金属板。左右に8つずつの穴があり、空気を取り込みながら風をさえぎります
- フリントホイール:親指で回すギザギザの車輪。下から押し上げられたフリント(発火石)をこすって火花を出します
- 芯(ウィック):オイルを吸い上げて燃える部分。内部の綿の中を通っています
- 綿(レーヨンボール):オイルを含ませておく詰め物。液体のオイルが漏れにくいのはこのおかげです
- カム:フタの開閉を支える小さなバネ仕掛けの部品。フタを開いた状態・閉じた状態でカチッと止めます
- ヒンジ:ケースとフタをつなぐ蝶番(ちょうつがい)
風に強い秘密はチムニーの形にあります。炎をぐるりと囲むことで横からの風を弱めつつ、穴から空気を取り込んで燃焼を続けさせます。ガスライターのように細い炎を噴き出すのではなく、芯全体が大きく燃えるので、少々の風では消えにくいのです。
「カチン」という音はどこから鳴るのか
Zippoといえば、フタを開け閉めするときの「カチン」という澄んだ音。この音は、フタの内側がインサイドユニットのカムを押し、カムがバネの力で跳ね返るときに生まれます。ケースの金属、カムのバネ、ヒンジの精度がそろってはじめて鳴る音で、モデルや素材によって微妙に響きが違います。肉厚のアーマーは低く重い音、真鍮は少しやわらかい音、と聞き比べるのもZippo好きの楽しみです。
ボトムの刻印で製造年がわかる
Zippoを裏返して、底(ボトム)を見てみてください。ZIPPOのロゴやブラッドフォードの地名とともに、記号や文字が刻まれています。このボトム刻印を読むと、そのZippoがいつ作られたかがわかるようになっています。
刻印の表し方は時代によって変わってきたため、コレクターの間では「この刻印ならこの年代」と見分けるのがひとつの楽しみになっています。自分の生まれた年や、記念日の年に作られたZippoを探す人もいるほどです。手持ちのZippoがあれば、ぜひ底の刻印をのぞいてみてください。
なお、刻印の読み方は年代によって細かな違いがあるため、正確に知りたい場合はZippo公式の情報や専門の資料で確認するのが安心です。中西工房で彫刻・印刷するのはケースの表面や側面が中心なので、ボトム刻印はそのまま残ります。オリジナルに仕上げても、正規品としての「生まれ年」はきちんと刻まれたままです。
レギュラー、アーマー、1941…モデルと素材は何が違うのか
同じZippoでも、形や厚み、素材、仕上げによってさまざまなモデルがあります。まずは代表的なものを知っておくと、選ぶときに迷いにくくなります。
| モデル | 特徴 | こんな人に |
|---|---|---|
| レギュラー #200(ブラッシュクローム) | 細かな線状のつや消し仕上げ。指紋や小キズが目立ちにくい定番 | 初めての1本、毎日使う人 |
| レギュラー #250(ハイポリッシュクローム) | 鏡のように光る仕上げ。彫刻の線がくっきり映える | 見た目の華やかさ重視、贈り物 |
| スリム | レギュラーより幅が細くスマート。手の小さい方にも持ちやすい | 女性、ポケットを軽くしたい人 |
| アーマー #162 / #167 | ケースの肉厚が通常の約1.5倍。重みがあり、深い彫刻にも向く | 重厚感がほしい人、長く使い込みたい人 |
| 1941レプリカ | 1941年当時の形を再現。角の丸みやフラットなフタが特徴 | クラシックな雰囲気が好きな人 |
| スターリングシルバー | 純度の高い銀製。使うほど風合いが育つ | 記念の1本、特別な贈り物 |
| ブラックアイス | 黒く透明感のある鏡面仕上げ。彫刻すると下地が光って浮かぶ | シャープな印象が好きな人 |
| ソリッドカッパー | 銅のかたまりから作ったケース。赤みのある色が経年で深まる | 経年変化を楽しみたい人 |
| ブラス(真鍮) | 金色の真鍮製。くすみや味わいが出て、アンティーク調になる | 家紋や和柄、渋い雰囲気が好きな人 |
素材ごとの違いは、見た目だけでなく時間がたったときの変化にも表れます。クロームは比較的変化が少なく、きれいな状態を保ちやすい素材です。一方、真鍮や銅、銀は使ううちに色が深まり、持ち主の手になじんだ「その人だけの色」になっていきます。どちらがよいというより、好みや使い方で選ぶのがおすすめです。
Zippoの使い方と手入れ(オイル・フリント・芯)
Zippoは手入れをしながら長く使う道具です。といっても、覚えることはそれほど多くありません。基本はオイルの補充、フリントの交換、芯の手入れの3つです。
オイルの補充
- ケースからインサイドユニットを引き抜きます
- ユニットを裏返し、フェルトパッドを少しめくって中の綿にオイルを染み込ませます
- 入れすぎないのがコツ。あふれたオイルはしっかり拭き取り、手を洗ってからケースに戻します
オイルは自然に少しずつ揮発(蒸発)するので、使わなくても減っていきます。火の付きが悪くなってきたら補充のサインです。オイルはZippo純正の専用オイルを使うと安心です。
フリント(発火石)の交換
ホイールを回しても火花が弱くなってきたら、フリントがすり減っています。インサイドユニットの底にあるネジを外すと、バネが出てきます。古いフリントを取り出し、新しいフリントを入れてネジを締め直せば完了です。小さな部品なので、机の上など落としても見つけやすい場所で作業しましょう。
芯の手入れ
芯の先が黒く焦げて炎が小さくなってきたら、ピンセットなどで芯を少し引き出し、焦げた部分をハサミで切りそろえます。芯は綿の中を長く通っているので、何度か引き出して使えます。
火がつかなくなった、もう寿命?
たいていはオイル切れ・フリントのすり減り・芯の焦げのどれかです。この3つを確かめれば、ほとんどの場合また使えるようになります。それでも直らないときは、次に紹介する永久保証を思い出してください。
Zippoの永久保証とは?オリジナル加工品も対象になるのか
Zippoには、創業者ブレイズデルの時代から続く永久保証があります。合言葉は「It works or we fix it free(ちゃんと使えなければ、無料で直します)」。製造年に関係なく、着火に関わる機能の不具合は修理を受けられるという、道具としての自信の表れです。
保証の対象は、ヒンジやカム、ホイールなどライターとして機能する部分です。表面の仕上げ、印刷や彫刻の擦れ、キズなどは対象外とされています。また、オイルやフリント、芯などの消耗品は自分で交換するものです。
中西工房で彫刻や印刷をしたZippoも、もとは正規品のZippoです。そのためオリジナル加工をしたあとも、機能部分は永久保証の対象になります。「名前を入れたら保証がなくなるのでは」と心配される方もいますが、安心してお使いいただけます。詳しくはよくある質問もご覧ください。
彫刻とフルカラー印刷、オリジナルZippoはどう作る?
Zippoのケースは平らで丈夫な金属なので、文字やデザインを入れるのにぴったりです。オリジナルZippoの加工は、大きく彫刻とフルカラー印刷の2種類に分かれます。
彫刻:金属を削って、長く残す
彫刻はケースの表面を削ってデザインを刻む方法です。色は金属そのものの単色ですが、こすれても消えにくく、長く使っても残るのが最大の魅力。名入れや記念日、会社のロゴ、線画のイラストはもちろん、濃淡を点や線の密度で表すことで写真も陰影のある彫刻に仕上げられます。ブラックアイスのような塗装仕上げでは、削った部分が地金の色で浮かび上がり、くっきりとしたコントラストになります。
フルカラー印刷:写真やイラストを色そのままに
フルカラー印刷は、写真やイラストを元の色のままケースに再現する方法です。鮮やかなキャラクター、グラデーションのあるイラスト、家族やペットのカラー写真など、色が大切なデザインに向いています。彫刻に比べると表面は擦れやすいので、色の美しさを楽しむ1本として選ぶ方が多い加工です。
どちらが向いているかは、デザインと使い方で決まります。「ずっと残したい名前や言葉」なら彫刻、「色まで見せたい写真や絵」なら印刷、と考えるとわかりやすいでしょう。詳しくはジッポー彫刻とカラー印刷ジッポーで、作例とともに解説しています。
デザインの用意がなくても大丈夫です。手描きのメモや写真を送っていただければ、こちらでラフ(下書き)を作り、確認していただいてから製作します。流れはZIPPO製作の流れに、ほかの方の作例は製作ギャラリーや完成デザイン一覧でご覧いただけます。
あなただけのZippoを、1個から作れます
オリジナルジッポーライターについて見るZippoが贈り物に選ばれる理由
Zippoは、誕生日や父の日、退職記念、成人のお祝い、周年記念品など、贈り物としてもよく選ばれます。その理由は、ここまで紹介してきたうんちくの中にあります。
- 一生ものになる:永久保証があり、手入れをすれば何十年も使える
- 名前やメッセージが残る:彫刻なら言葉が消えにくく、贈った気持ちが形として残る
- 使わなくても飾れる:写真彫刻や記念デザインは、たばこを吸わない方にもコレクションや記念品として喜ばれる
- 手に取るたびに思い出す:ポケットや机の上で、毎日のように目に入る
たとえば、真鍮のZippoに家紋を入れて父の還暦祝いに。お子さんの写真を彫刻して、出産記念に。チームのロゴを入れて、仲間との記念品に。贈る相手と場面に合わせて選べるのがオリジナルZippoのよさです。贈り物の選び方はジッポーギフトで詳しく紹介しています。
オリジナルZippoを作る「中西工房」について
中西工房は、大阪でオリジナルZippoの製作を続けて26年になる工房です。これまでに10,700本以上のZippoを製作してきました。名入れや記念品、会社のノベルティ、ペットや家族の写真彫刻、フルカラー印刷まで、ひとつひとつ確認しながら仕上げています。
ご注文は1個から承っています。たくさん作らなくても、たった1本、大切な人のためだけのZippoを作れます。もちろん、記念品やノベルティなどまとまった数のご相談も歓迎です。
Zippoの歴史やしくみを知ると、手に取ったときの感じ方が少し変わります。90年以上続く道具に、あなたの名前や思い出を刻んで、もう一段特別な1本にしてみませんか。料金と納期は料金・納期で、モデルはモデルを選んで注文からお選びいただけます。
モデルを選んで、オリジナルZippoを注文する
モデル一覧を見るよくある質問
Q.Zippoはどこの国のメーカーですか?
A.アメリカのメーカーです。1932年にペンシルベニア州ブラッドフォードで、ジョージ・G・ブレイズデルによって創業されました。
Q.Zippoのオイルはどれくらい持ちますか?
A.オイルは使わなくても自然に揮発するため、使う頻度や保管環境によって変わります。火の付きが悪くなってきたら補充のタイミングです。入れすぎず、あふれた分は拭き取ってください。
Q.彫刻や印刷をしたZippoも永久保証の対象ですか?
A.はい。中西工房で加工するZippoは正規品なので、ヒンジやホイールなど機能部分は永久保証の対象です。ただし表面の仕上げや、彫刻・印刷の擦れやキズは保証の対象外です。
Q.彫刻とフルカラー印刷はどちらがおすすめですか?
A.長く残したい名前や言葉、ロゴなら彫刻、写真やイラストを色そのままに見せたいならフルカラー印刷がおすすめです。詳しくはジッポー彫刻とカラー印刷ジッポーをご覧ください。
Q.オリジナルZippoは1個から作れますか?
A.はい、1個から製作しています。手描きのメモや写真からラフを作ることもできます。料金と納期は料金・納期をご確認ください。
Q.たばこを吸わない人への贈り物にZippoは向いていますか?
A.向いています。写真彫刻や記念デザインのZippoは、飾って楽しむ記念品やコレクションとしても喜ばれます。選び方はジッポーギフトで紹介しています。
















































