デザインストーリー
彼女と、彼女の相棒
額に上げたゴーグル、風になびくツインテール、そして革ジャケットの内側にしまわれた覚悟。表面に描いたのは、退屈な日常を振り切って走り出す女性ライダーの一瞬です。裏面には、彼女がいつも跨る一台のバイクだけを、同じ光の中に描きました。人と機体、どちらも脇役にせず、両方を主役として向かい合わせる——そんな構成にしたのは、道具と使い手の間にある信頼関係を、そのままオリジナルZIPPOのデザインに落とし込みたかったからです。
ディーゼルパンクという世界観
舞台に選んだのは、蒸気と鋼鉄が主役だった時代の空気をまとう「ディーゼルパンク」。インディゴブルーとマスタードイエローを基調に、真鍮の金具や革のベルトといった手仕事の質感を重ねることで、単なるバイクイラストではなく、ひとつの物語の一場面のように仕上げています。ゴーグルや飛行帽風の小物は、スピードそのものよりも「そこへ向かう覚悟」を象徴するモチーフとして選びました。
火を灯すという儀式
Zippoライターは、単に火をつける道具ではなく、ポケットから取り出し、蓋を開け、着火するまでの一連の所作そのものに愛着が生まれる道具です。エンジンをかけ、ヘルメットを被り、走り出す前のわずかな静けさ——そんな瞬間に寄り添えるデザインを目指しました。日々の中で自分だけの相棒を持つ人に、静かに寄り添う一本です。
使うほどに馴染む一本
真鍮パーツの経年変化のように、ライター本体も使い込むほどに手に馴染んでいきます。バイク好き、ガレージで過ごす時間が好きな人はもちろん、レトロイラストや世界観のあるデザインが好きな方への贈り物としてもおすすめです。表と裏、両面が主役の一本だからこそ、蓋を開けるたびに違う表情を楽しめます。
コレクションとしての広がり
このシリーズでは、乗り物とその使い手を表裏の対で描く企画を続けています。複葉機の飛行士、蒸気機関車の機関士、深海の潜航士——それぞれ異なる乗り物と人物の組み合わせながら、根底に流れる「相棒」というテーマは共通です。バイク編である本作を起点に、他の乗り物編もあわせて集めることで、シリーズ全体としてひとつのガレージのような世界観が広がっていきます。
ディテールに込めた手間
表情ひとつ、金具の光り方ひとつにも時間をかけました。ゴーグルのレンズに映り込むわずかな反射、革ジャケットの縫い目、バイクのフェンダーに浮かぶ小さな傷——そうした細部の積み重ねが、単なるアイコン的なイラストではなく、実在感のある一枚に仕上げてくれます。小さなライターの盤面に収めるからこそ、ディテールへのこだわりは惜しみませんでした。じっくり眺めるたびに新しい発見がある、そんな一本を目指しています。
手のひらサイズの物語
Zippoライターの本体は、決して大きなキャンバスではありません。だからこそ、そこに描くモチーフは一目でわかる強さと、じっくり見て初めて気づく奥行きの両方を持たせる必要があります。表面のライダーの表情は遠目にも凛として見え、近づけばゴーグルの傷や髪のなびき方までが物語を語り出す——そんな二段構えの見え方を意識して制作しました。手のひらに収まるサイズだからこそ、毎日触れるたびに新しい発見がある一本になるはずです。
火を灯す前の静けさ
どんなに速く走るバイクも、エンジンをかける前には必ず静止した時間があります。キーを差し込み、メーターを確認し、深く息を吸う——そのわずかな静けさは、Zippoライターの蓋を開ける前の一瞬とも重なります。派手な疾走シーンではなく、あえてその手前の静かな時間を切り取ったのは、行動そのものよりも、行動を決意するまでの心の動きにこそドラマがあると考えたからです。
贈る側の気持ちも一緒に
節目のお祝いや、相棒のような存在への贈り物として。オリジナルジッポーの製作という工程そのものが、贈る側の想いを形にする時間になります。誰かの「走り出す瞬間」を後押しする一本として、手元に置いてみてください。使い込むほどに味わいが増していくのは、ライター本体もバイクという相棒も同じです。長く付き合うものだからこそ、選ぶ時間そのものを楽しんでもらえたら嬉しいです。











