異世界猫編
最強の徴税官、かばんの中へ消える
十年間ひとつの未納も出さなかった徴税官バルド。届いた旅かばんの開いた口を未知の空間と見なして中へ入り、金貨と帳簿を巻き込んだまま出てきません。猫ファンタジー第17弾。
- ・金貨と帳簿を守る王国の徴税官
- ・通販で革の旅かばんが届く
- ・開いた口を未知の空間と判断する
- ・入ったまま徴税が中止になる
この短編で起きること
徴税所の机に、通販で革の旅かばんが届きます。口が大きく開いたまま置かれたかばんを、徴税官バルドは未知の空間と判断。慎重に頭を入れ、前脚を入れ、全身が入る。金貨の袋と帳簿を巻き込んで、かばんは静かに揺れています。窓口の列は伸びるばかりで、今日の徴税は中止になりました。
なぜ猫はかばんや箱に入るのか
猫は口の開いた入れ物を見つけると、まず入ってみます。狭くて囲まれた場所は外敵から身を守れる安全な場所であり、体温を逃がしにくい暖かい場所でもあるからです。出かける前に開けたかばんに猫が入ってしまうのは、飼い主なら誰でも経験する光景です。出かける準備は、かばんの口を閉じてから始めると早いです。
シリーズの案内
「異世界猫編」の第17弾です。前の回は城の廊下で靴下に前足を取られた密偵シノ。この回は「入ったまま出てこない」型で、第13弾の紙ぶくろの行商人と同じ系統です。次は薬草の吊るされた石造りの薬房で、薬師ルリが薬瓶の木のフタに負ける回に続きます。
A: 瓶のフタ / B: 積んだ本
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