異世界猫編
最強の両替商、秤の皿から降りない
二十年、計算を一度も間違えたことがない両替商ゼニ。届いた新しい真鍮の天秤の皿に乗った瞬間、そこが自分の座席になり、店じゅうの硬貨を床にぶちまけます。猫ファンタジー第38弾。
- ・王都の両替商を営む猫
- ・通販で新しい天秤が届く
- ・空いた皿が自分の座席になる
- ・店の硬貨を全部ぶちまける
この短編で起きること
王都の両替商ゼニのもとに、通販で新しい真鍮の天秤が届きます。片方の皿に硬貨を積み、もう片方の皿が空いたところで、ゼニがその皿に乗ります。ちょうどいい大きさ。天秤が大きく傾き、硬貨が皿から滑って床へ。降りるどころか皿の上で丸くなり、店じゅうの硬貨が床に散らばったまま今日の両替は終わりました。
なぜ猫は小さな皿や箱に無理やり入るのか
猫は明らかに小さすぎる箱や皿にも乗って、収まろうとします。囲まれた縁があるだけで「ここは自分の場所」と感じるからで、床にテープで四角を描くだけでその中に座る猫がいるほどです。体を丸めて収まると体温が逃げにくいという理由もあります。食器の空き箱や小さな段ボールは、猫にとって特等席です。
シリーズの案内
「異世界猫編」の第38弾です。前の回は冬の酒蔵で甕を将棋倒しにした酒蔵番タル。天秤の皿に収まる姿は、第2弾の段ボールから続く「収まってしまう」型の集大成です。次は小屋を満席にする影絵師カゲが、紙幕に映った自分の影と本気で戦う回に続きます。
A: ゆれる影 / B: 一枚の羽根
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