異世界猫編
最強の酒蔵番、空の甕に消える
十七年、王家の酒を一滴も減らしたことがない酒蔵番タル。届いた新しい空の甕がぽっかり口を開けていて、点検のつもりで入ったまま、蔵じゅうの甕を将棋倒しにします。猫ファンタジー第37弾。
- ・王家の酒蔵を任された猫の番人
- ・通販で新しい甕が届く
- ・点検のつもりで中に入る
- ・蔵の甕を将棋倒しにする
この短編で起きること
冬の酒蔵に、通販で新しい空の甕(かめ)が届きます。酒蔵番タルは中を点検しようと縁に前脚をかけ、のぞき込み、そのまま中へ。甕が揺れ、倒れ、転がって隣の甕に当たり、蔵の甕が端から順に倒れていきます。最後に静まった蔵の真ん中で、割れなかった甕から番人の顔だけがのぞきます。
なぜ猫は壺や甕、鉢に入るのか
口が丸くて深い入れ物は、猫にとって体を丸めてぴったり収まる寝床です。植木鉢や洗面器、大きめの花瓶に猫が収まっている写真が多いのはそのためで、陶器はひんやりして夏に好まれます。倒れやすい入れ物は、猫が入った拍子に転がることがあるので、重いものか床置きのものにしておくと安心です。
シリーズの案内
「異世界猫編」の第37弾です。前の回は市場で自分の商品の香草に沈んだ店主セリ。甕が次々倒れていく画は、シリーズでいちばん長い「連鎖」のオチです。次は王都の両替商ゼニが、新しい天秤の皿を自分の座席にして硬貨をぶちまける回に続きます。
A: 秤の皿 / B: ゆれる影
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