異世界猫編
最強の渡し守、水面の月に手を出す
十五年一度も舟を沈めなかった渡し守ミナト。届いた銀の盆が川に落ち、その上で揺れる月を捕まえにいって、自分の舟から落ちます。猫ファンタジー第25弾、水面の月に勝てない猫の回です。
- ・夜の川を渡す沈没ゼロの渡し守
- ・通販で銀の盆が届く
- ・川面に月が映って揺れる
- ・月を捕まえにいって自分が落ちる
この短編で起きること
夜の川に舟を出す渡し守ミナト。積んでいた通販の銀の盆が川に落ち、水面に浮かんで月を映します。揺れる盆の上で、月が揺れる。ミナトは櫂を置き、舟べりに前脚をかけ、月へ手を伸ばします。届いた瞬間、舟が傾いて渡し守は川の中。十五年守った記録は、月に持っていかれました。
なぜ猫は水面の光に手を出すのか
水面に映る光は揺れて形を変え続けるので、猫にはつかまえられそうでつかまえられない獲物に見えます。第3弾の光の点、第9弾の水滴と同じで、猫は「動く光」に弱い生き物です。お風呂の水面をのぞき込んで前脚を入れる猫が多いのも同じ理由です。落ちると驚くので、浴槽のフタは閉めておくと安心です。
シリーズの案内
「異世界猫編」の第25弾です。前の回は織機で毛糸に巻き取られた機織りアヤ。この回はシリーズでいちばん美しい画で、夜の川と月だけで構成されています。次は王国一の粉を挽く風車小屋の主コナが、窓辺で回る小さな風車に見とれて粉まみれになる回に続きます。
A: 風車 / B: 丸めた紙
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