異世界猫編
最強の森番、どんぐりに転がされる
森の道をすべて覚え、迷い人を八年出さなかった森番モミジ。届いた木の実の袋が破れ、坂を転がる一粒のどんぐりを追って自分が谷まで転がっていきます。猫ファンタジー第22弾。
- ・森の道をすべて覚えた番人
- ・通販で木の実の袋が届く
- ・破れた袋から一粒が転がり出す
- ・追ううちに自分が転がり落ちる
この短編で起きること
森の小屋に、通販で木の実の袋が届きます。袋の底が破れ、どんぐりが一粒こぼれて坂を転がり出す。森番モミジは即座に追います。転がるどんぐりは止まらず、モミジも止まらず、落ち葉の坂をふたつの影が転がっていきます。谷底で仰向けになった森番の胸の上に、どんぐりが一粒乗って終わります。
なぜ猫は転がるものを追いかけるのか
転がる小さな物体は、逃げる小動物とほとんど同じ動きをします。猫の目は動くものの検知に特化しているので、どんぐりや丸めた紙、ボールが転がると、考える前に体が追い始めます。坂道で転がるものは加速するので、さらに興奮します。家の中では小さなボールをひとつ転がすだけで、十分な運動になります。
シリーズの案内
「異世界猫編」の第22弾です。前の回は城の広間で羽ぼうきに手を出した家令セバス。この回は屋外の森が舞台で、追う側が自分も転がってしまう「一緒に負ける」型です。次は王国の穀倉を六年守ってきた番人ワタが、麦わら帽子の影を巣穴と見なして入ってしまう回に続きます。
A: 麦わら帽子 / B: 糸まき
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