異世界猫編
最強の密偵、靴下に足を取られる
城の闇を音もなく渡る密偵シノ。届いた毛の靴下の片方が廊下に落ち、確保にかかった前足がそのまま中へ入って抜けなくなり、甲冑を鳴らして任務を終えます。猫ファンタジー第16弾。
- ・城の廊下を無音で渡る密偵
- ・通販で毛の靴下が届く
- ・落ちた片方を未知の生物と判断する
- ・前足が中に入って抜けなくなる
この短編で起きること
夜の城。密偵シノが足音ひとつ立てずに廊下を進みます。前方に、通販で届いた毛の靴下の片方が落ちている。未知の生物と判断して低く構え、前脚で押さえた瞬間、脚がすっぽり靴下の中へ。抜こうとして振り回し、壁の甲冑に当たって大音響。城じゅうの灯りがついて、密偵の任務は終わりました。
なぜ猫は靴下に反応するのか
脱いだ靴下は人の匂いがいちばん濃く残っている布のひとつです。猫はその匂いを確かめたくて顔を突っ込み、柔らかさに惹かれてくわえて運びます。靴下をくわえて鳴きながら歩く猫は、獲物を持ち帰る行動の名残りだとも言われています。かじって糸を飲み込むことがあるので、脱いだ靴下は洗濯かごに入れるのが安全です。
シリーズの案内
「異世界猫編」の第16弾です。前の回は仕立て工房でたたんだ布の上に寝てしまった仕立て屋ハリ。この回は静かな導入から一気に音で崩れる、緩急の大きい回です。次は金貨と帳簿を守る徴税官バルドが、旅かばんの開いた口の中へ消える回に続きます。
A: かばんの中 / B: 瓶のフタ
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