異世界猫編
最強の伝令、丸めた紙で足を止める
七年一度も書状を遅らせなかった伝令スズ。届いた紙束の一枚が風で丸まって転がり、追いかけているうちに肝心の書状を城門じゅうに撒き散らします。猫ファンタジー第27弾、丸めた紙に勝てない猫の回です。
- ・王城の書状を運ぶ最速の伝令
- ・通販で紙束が届く
- ・一枚が丸まって転がりだす
- ・追ううちに書状を撒き散らす
この短編で起きること
王城の書状を運ぶ最速の伝令スズ。出発前に通販の紙束を受け取ったところ、一枚が風で丸まり、石畳をころころと転がり出します。追う。前脚で押さえる。また転がる。夢中で追ううちに背負った書状の袋が開き、城門じゅうに手紙が舞い散りました。七年の無遅刻記録は、紙くずひとつで終わりです。
なぜ猫は丸めた紙で遊ぶのか
丸めた紙は軽くて不規則に転がり、前脚で叩くとカサッと音がして跳ねます。動き・音・軽さの三つがそろった、猫にとって最高の獲物です。ティッシュを一枚丸めて投げるだけで、高価なおもちゃより長く遊ぶ猫は珍しくありません。持ってこい遊びを覚える猫もいます。かじって食べてしまう子は、飲み込む前に回収してください。
シリーズの案内
「異世界猫編」の第27弾です。前の回は風車小屋で小さな風車に見とれて粉まみれになった粉挽きコナ。次は山の湯を十一年守ってきた湯守ユキが、木桶から立ちのぼる一本の湯気につかみかかる回に続きます。
A: 湯気 / B: 靴ひも
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