デザインストーリー
黒薔薇を抱く少女の、二つの佇まい
月夜の庭。錬鉄の柵のそばに、黒薔薇の花束を胸に抱く少女が立っています。白磁のような肌、まっすぐな黒髪、深い菫色の瞳。ゴシックロリータという装いは、可憐さと気高さが同居する、独特の美意識の結晶です。
このデザインは、その少女の二つの佇まいを表と裏で綴った表裏一対の企画です。表面では黒薔薇を抱いて静かに佇む姿を。裏面では、同じ少女がレースの日傘を肩に差し、優美に歩き出す姿を描いています。一人の少女の、続きの物語です。
静と動、二つのポートレート
表の少女は、正面を向き、黒薔薇を胸に抱いています。表情はどこか物憂げで、けれど毅然としている。花びらの深紅と、ドレスの漆黒。その対比が、彼女の内なる情熱と静けさを同時に語ります。
裏の少女は、四分の三の身のこなしで、黒いレースの日傘を肩に載せています。腰元にはひと輪の黒薔薇。表の花束と呼応するそのモチーフが、二場面が同じ物語であることを静かに告げます。表が「佇む静」なら、裏は「歩き出す動」。
レースの階層に宿る、手仕事の矜持
このデザインで最も繊細を要するのは、レースの重なりです。何層にも折り重なるフリル、リボンの結び、薔薇の花弁の陰影。黒を基調にしながら、菫と臙脂(えんじ)の差し色で奥行きを与えました。
オリジナルZIPPOライターとして金属に落とし込むと、黒の深みが金属光沢と響き合い、独特の艶を放ちます。月光を思わせる硬質な輝きは、まさにゴシックの美意識そのもの。カチリと開く音さえ、どこか儀式めいて聞こえてきます。
気高さを、傍らに
耽美や退廃の美に惹かれる人へ。人と違う美意識を貫きたい自分自身へ。名入れを添えれば、それはこの少女があなただけに差し出す、一輪の黒薔薇のような存在になります。
特別な記念に、あるいは自分の美学を確かめる相棒として。眺めるほどに、表の静けさと裏の優美さの間で、物語が静かに循環します。所有するとは、細部を愛でること。レースの一目、花弁の一枚、菫色の瞳の奥。見るたびに新しい表情に出会える、そんな気高い一台を目指しました。











