デザインストーリー
おかえりなさいませ、いってらっしゃいませ
扉を開けると、猫耳のメイド少女がぺこりと頭を下げて迎えてくれる。帰るときには、トレイを抱えたまま肩越しに振り返り、そっと見送ってくれる。そんな小さなカフェの一場面を、金属の一台に閉じ込めました。
表は正面から見た「おかえりなさいませ」。裏はくるりと背を向けた「いってらっしゃいませ」。表裏で一つの物語になるように、同じ少女、同じ衣装、同じ店内で描き分けています。
迎えと見送りを一対で
メイド少女といえば、やはり迎える表情が主役になりがちです。けれどこの企画では、あえて裏に「振り返る後ろ姿」を置きました。エプロンのリボン、ふわりと揺れる尻尾、肩越しにこぼれる笑み。背中で語る芝居こそ、余韻が残ると考えたからです。
表を見せて渡せば挨拶に、裏を見せれば別れぎわの一言に。手のなかで表裏を返すだけで、ひとつの短い物語が完結します。
手仕事で守るディテール
フリルの一枚、リボンの結び目、猫耳のふわふわ感。細部が多いデザインほど、金属に落とし込むときの繊細さが問われます。線が潰れないように、暖色の空気感が濁らないように、色の乗りをていねいに確かめながら仕上げていきます。
こうして生まれたオリジナルZIPPOライターは、カフェの温度をそのまま手のひらに移したような一台になりました。カチリと開くたびに、あの「おかえりなさいませ」が耳の奥でよみがえるようです。
記念に、合言葉のように
通い慣れた店の思い出に、あるいは好きな世界観への愛着の証に。名前や短い言葉を添えれば、持ち主だけの合言葉のような一台になります。
派手に見せびらかすものではなく、ポケットの中でそっと寄り添うもの。ふとした瞬間に取り出して、迎えと見送りの表情に会いにいく。そんな距離感が似合うデザインです。
手のなかの小さな喫茶
迎えてくれる正面と、見送ってくれる背中。たった二面のなかに、ひとつのカフェの一日が流れています。使い込むほどに金属が艶を帯び、猫耳メイドと過ごした時間が静かに刻まれていく。今日もおつかれさまでした、と裏の少女が肩越しに微笑む——そんな余韻を、この一台に込めました。











