デザインストーリー
峠道を漕ぎ上がる、後ろ姿
新海誠風のアニメ風景を思わせるビジュアルに、ロゴを重ねたデザインです。表面には、雲がかかる山々を背景に、峠道を自転車で上る少女の後ろ姿を描きました。ペダルを踏み込む脚の力強さと、風を受けて揺れる髪や服の動きを、絵画的な光の表現とともに描いています。
その画面の中に、ヒーロー要素として大きく配置したのが英字ロゴ「KEEP GOING」です。文字は単なる装飾ではなく、峠道を漕ぎ続ける少女の心情そのものを代弁する存在として、構図の主役級の存在感を持たせています。息が上がっても、坂がまだ続いていても、前へ進み続ける——そのままの言葉を、Zippoライターの側面いっぱいに刻みました。
峠を越えた先の下り坂
裏面はその続きの情景です。上り坂の緊張感から一転、峠を越えて下り坂を駆け下りる爽快な視点を描きました。麓の町並みが遠くに見渡せる開放的な構図で、風を切る速度感と、上りとは違う軽やかな解放感を表現しています。裏面には文字要素を一切入れず、情景だけで「上りの先にあるご褒美」を語らせる構成です。
同じ画風・同じ配色・同じ光の当て方で表裏を揃えているため、ライターを開いて見比べると、「上り」と「下り」がひとつのストーリーとしてつながって見えます。KEEP GOINGという言葉で背中を押された表の一枚と、その努力が報われる裏の一枚。両面で完結する構成にすることで、単なるロゴ入りデザイン以上の物語性を持たせました。
制作背景ノート
このデザインはPinterestで見つけた新海誠風のイラスト集を参照元とし、山道や坂道、逆光、絵画的な空の表現など、旅情と郷愁を感じさせるビジュアル言語を踏襲しています。表面のみ英字ロゴを主役として配置し、裏面は文字なしで情景の力だけで見せるという、意図的な非対称構成を採用しました。
「KEEP GOING」というシンプルな言葉は、自転車やスポーツに限らず、仕事や勉強、日々の暮らしの中で踏ん張りたい瞬間にも当てはまる普遍性を持たせています。ロゴの書体は絵柄の絵画的なタッチとなじむよう、硬すぎず柔らかすぎない線幅で調整し、風景の一部として自然に溶け込むよう仕上げました。
想定シーン・使い方
自転車やロードバイクを趣味とする方への贈り物はもちろん、部活や受験、資格試験など、日々何かに向かって坂を上っている最中の人へのエールとしても選びやすい一枚です。火をつけるたびに視界に入る「KEEP GOING」の文字が、小さな合言葉のように背中を押してくれます。
就職や転職、独立、新生活のスタートなど、人生の節目に贈るギフトとしても相性のよいモチーフです。言葉と情景がセットになっているぶん、渡す側の気持ちものせやすく、贈り物としての説得力を持たせやすいデザインだと感じています。
裏返せば、峠を越えた先の爽快な下り坂が待っている。頑張った先にはちゃんとご褒美があるという構成は、Zippoライターを手に取るたびに小さな励ましを受け取れるような、そんな日常の道具として設計しています。
素材と仕上げについて
ロゴ部分は視認性を優先しつつ、風景となじむ立体感のある陰影処理を施し、単なる印字ではなく絵の一部として見えるよう仕上げました。山々の稜線や雲の表現は表裏で共通のトーンを保ちつつ、上りの緊張感と下りの解放感がそれぞれの色使いにも表れるよう、微妙な彩度と明度の差をつけています。文字と情景、その両方が引き立て合う一枚として仕上げました。
エピソード・そのライターが語るもの
峠道の途中で足を止めたくなる瞬間は、自転車に乗る人なら誰しも覚えがあるはずです。それでもペダルを踏み込み続けられるのは、頂上を越えた先に必ず下り坂があると知っているからだと言います。KEEP GOINGという言葉には、その「越えれば必ず楽になる瞬間が来る」という経験則への信頼が込められています。
このデザインを選ぶ人は、今まさに何かの峠道の途中にいるのかもしれません。ポケットからライターを取り出すたびに、大きく描かれた文字が視界に飛び込み、小さな合図のように背中を押す。そして裏返せば、すでに峠を越えた先の爽快な景色が描かれている——頑張った先に待っているものを、あらかじめ見せてしまうという構成に、このデザインならではの遊び心を込めました。











