デザインストーリー
影の中に宿る完璧
バレエの舞台でシルエットほど美しいものはない。スポットライトが逆光になったとき、ダンサーの体は漆黒の影になる。そのとき初めて、完璧なラインが浮かび上がる。肉体の微妙な曲線、指先から爪先まで一本の意志が通った姿——言葉で説明するより、影で語る方が真実に近い。
バレエのアラベスクというポーズは、片脚で立ち、もう一方の脚を後方に高く伸ばした姿勢だ。見た目の優雅さの裏には、何千時間もの稽古がある。完璧に見えるほど、積み重ねてきた時間が長い。
チュールが纏う空気
裏面のチュール文様は、バレエダンサーが身に着けるチュチュのスカートから発想した。薄く繊細な網目状の生地が幾重にも重なり、動くたびに空気をはらんで揺れる。あの軽やかさを平面に翻訳することで、裏面を「まとう」感覚を持たせたい。
レース状の連続文様は、近くで見ると精緻で、遠目には一枚の布地のように見える。バレエのステップも同様に、分解すると無数の微細な動きの積み重ねだが、客席から見ると流れるような一本の線になる。
優雅さの重さを知る道具
誰かに贈る一本として、バレエを愛する人に。あるいは、長年何かを鍛錬し続けてきた自分への記念品として。シルエットの影が伝える「見えないところで積み重ねてきたもの」の重みを、この一本に込めた。








