デザインストーリー
風が運ぶ、ガラスの音色
チリン、と鳴る涼やかな音。軒先に吊るされた江戸風鈴が、夏の風を受けて短冊を揺らす——そんな一瞬の情景を切り取ったのが、この夏デザインです。オリジナルZIPPOライター製作の新作として、暑い季節にこそ寄り添う涼を意識しました。
江戸風鈴という伝統工芸
ガラスを吹いて作られる江戸風鈴は、あえて縁をギザギザに仕上げることで、繊細で響きの良い音色を生み出す工芸品です。見た目の透明感と涼やかな音、そのふたつを視覚的に表現することを目指しました。江戸時代から続く手仕事の温かみを、現代の道具に重ねています。
短冊が伝える風のかたち
風鈴の音を生み出す短冊は、目に見えない風の存在を教えてくれる小さな案内役です。ゆらゆらと揺れる短冊の描写に、夏の午後にふと吹き抜ける一陣の風を感じてもらえたらと思います。何も描かれていない紙一枚が、風という見えないものの存在を可視化するその仕組みに、この文化の面白さを感じます。
涼を感じる配色へのこだわり
透明なガラスの質感を表現するため、青みがかった涼しげな色調を基調にしました。強すぎる原色ではなく、水面のようなやわらかいトーンでまとめることで、見るだけで少し涼しくなるような一枚を目指しています。木漏れ日が差し込むような柔らかな光の表現にもこだわりました。
裏面に広がる、水のリズム
表面の情景から着想を得て、裏面には水玉と波紋をあしらったseamlessパターンを展開しました。ひとしずくの水が波紋を広げていくような、静かなリズムを感じられる連続柄です。表の情景から裏の抽象パターンへと、涼のイメージがゆるやかにつながっていく構成にしています。
縁側という原風景
風鈴と聞いて思い浮かべるのは、開け放たれた窓辺や、麦茶片手に涼む縁側の情景かもしれません。エアコンの効いた室内では味わえない、自然の風とともにある夏の過ごし方への郷愁を、このデザインには込めています。
夏の贈り物として
お中元や夏の誕生日、暑中見舞いを兼ねた贈り物として。涼やかなモチーフは、暑い季節だからこそ喜ばれるギフトになります。オリジナルジッポー製作なら、季節感のある特別な一本を仕立てられます。
音のない音色を描く
絵の中に音を描くことはできませんが、揺れる短冊とガラスの光の反射で、耳に残る風鈴の音色を思い出してもらえるような表現を心がけました。目でも涼める、そんなデザインです。
夏の記憶とともに
縁側で風鈴の音を聞きながら過ごした子どもの頃の記憶。そんな懐かしさを呼び覚ますモチーフとして、大人になった今だからこそ手に取ってほしい一本です。日々のポケットに、小さな夏の涼を。
ガラス職人の手仕事
江戸風鈴の製作は、宙吹きという技法でひとつひとつ手作業で作られます。同じ型を使わないため、厳密には同じ音色のものはふたつと存在しません。そんな一点物としての価値観は、オーダーメイドで仕立てるオリジナルジッポーとも通じるものがあると感じています。
音のない絵の中に音を感じる仕掛け
ガラスの縁のギザギザな質感や、光の反射の描き方を工夫することで、視覚だけで音の余韻を想像してもらえるよう心がけました。静止画でありながら、どこか耳の奥で音が鳴っているような感覚を届けたいと思っています。
光の粒を描くということ
ガラスに反射する光は、点描のように細かい粒を丁寧に重ねることで表現しています。ひと粒ひと粒の輝きが、風鈴全体の透明感を支えているという意識で、細部まで丁寧に描き込みました。
涼を演出する日本の知恵
エアコンのなかった時代、日本人は視覚や聴覚を使って涼を感じる工夫を重ねてきました。風鈴の音、打ち水の湿り気、簾越しの光——五感を通じて暑さをやり過ごす知恵の文化に、このデザインもそっと連なっています。
一瞬を切り取る難しさ
風に揺れる短冊や、光を受けて煌めくガラスは、絶えず動き続けているものです。その一瞬を静止画として切り取るには、動きの中でもっとも美しい瞬間を見極める観察力が求められます。何度も構図を検討し、もっとも涼やかに見える一瞬を選び抜きました。
季節が過ぎても色褪せない
夏をテーマにしたデザインではありますが、涼やかな配色は季節を問わず長く愛用できる普遍的な魅力も持たせています。











