デザインストーリー
昼と夜が、手のなかで巡る
太陽が沈めば月が昇る。光があれば影があり、陽があれば陰がある。古今東西の文化が見つめてきた根源的な対比を、ライターの表と裏という二つの面に分けて描きました。一台のうちに、一日が、そして世界の理が巡ります。
表は、金色の太陽
表に現れるのは、炎のような光条をまとった太陽。アールデコ調の装飾線で様式化し、金とアンバーの暖色でまとめました。あたたかなオレンジの空を背に、力強く輝くその姿は、活力や始まりの象徴です。火を灯す道具との相性も抜群です。
裏は、銀色の月
裏に回せば、静かにたたずむ三日月。太陽とまったく同じ装飾線の様式で描きながら、配色は銀と青の寒色に振り分けました。夜の藍を背にした月は、安らぎや内省の象徴。暖と寒、動と静、陽と陰——二つの天体が、同じ意匠の流儀のなかで対をなします。
「両面表」だからこその物語
裏面を控えめな柄にせず、月をもう一つの主役として描いたことで、手のなかでくるりと返すたびに昼と夜が入れ替わります。太陽を上に向ければ昼、月を上に向ければ夜。持つ人の気分で、その日の空を選べる遊び心が宿ります。
アールデコという様式
直線と曲線、対称と装飾を巧みに操るアールデコは、天体モチーフと相性のいい様式です。幾何学的に整理された光条が金属の質感に映え、クラシックでありながらどこかモダンな佇まいに仕上がります。
贈り物としての日と月
陰陽の対比は、バランスや調和、巡りゆく時間の象徴。ペアや夫婦への贈り物、人生の節目の記念にふさわしいモチーフです。「光の日も影の日も、巡りながら共に」という願いを、説明せずとも込められます。
仕立てについて
中西工房では、太陽と月で配色を暖寒に振り分けつつ、装飾線の様式と密度を表裏で丁寧に揃えます。二つの天体が同じ流儀のなかで対になるよう仕上げるのが職人のこだわり。巡る昼と夜を、手のひらの一台にお届けします。








