デザインストーリー
何も考えない、という難しさ
「無心になりなさい」と言われて、すぐにできる人はいません。考えるな、と思うほど、頭のなかは騒がしくなる。「無心」とは、何もしないことではなく、雑念にとらわれず、いまこの瞬間だけに在ること——禅が長い時間をかけて磨いてきた、深い境地です。
このデザインは、その二文字を主役に据えました。隣に添えたのは、一筆書きの円相(えんそう)。始まりも終わりもない円は、完全さと、とらわれのなさの象徴です。
余白が、語る
墨でただ「無心」と書き、円相をひとつ。それ以外には、何もない。生成りの和紙のような地に、深い余白を残しました。情報を削ぎ落とすほど、見る人の心は静まっていく。禅の庭が、石と砂だけで宇宙を表すように。
金属の硬質さと、墨のにじみ。相反する素材感が出会うことで、かえって静けさが際立ちます。裏面も小さな円相と墨のかすれだけ。表から裏まで、ひと続きの静寂です。
ひと呼吸を、取り戻す道具
忙しい日々のなかで、私たちは呼吸を浅くしています。火を点けるその数秒、「無心」の二文字が目に入る。ほんの一瞬でも、頭のなかの騒がしさから離れられたら——道具にできることは、案外そういう小さなことかもしれません。
自分を整えたい方へ、静けさを贈りたい相手へ。オリジナルZIPPO(ジッポー)ライター製作として、墨の一筆の勢いまで大切に仕立てます。








