デザインストーリー
二柱の神が、手のなかで嵐を起こす
風袋を担いで天を駆ける風神、連太鼓を打ち鳴らす雷神。俵屋宗達の屏風以来、日本の美術が幾度も描いてきた最強のペアを、ライターの表と裏に分けて配しました。一面では完結しない、二面で初めて嵐になるデザインです。
金地に踊る、琳派の躍動
表に現れるのは風神。風袋を大きく広げ、雲を巻き込みながら駆け抜ける姿を、金地に群青と緑青の鉱物顔料で描き起こしました。
裏に回せば雷神。背に連なる太鼓を打ち、稲妻を呼ぶその姿は、風神とまったく同じ金地・同じ筆致で揃えてあります。二神は別々の面にいながら、同じ一つの嵐のなかにいる——表裏をめくるたびに、天候が荒れ狂う物語が立ち上がります。
屏風から、手のひらへ
本来は屏風という大画面で対峙する二神を、あえて手のひらサイズに凝縮しました。金属ボディに金地を載せると、屏風の金箔とはまた違う、鈍く深い輝きが生まれます。火を灯す所作と、雷神が太鼓を打つ仕草がどこか重なって見えるのも、このモチーフならではの面白さです。
余白と装飾、せめぎ合いの美
琳派の魅力は、大胆な装飾性と計算された余白の同居にあります。金地をたっぷり残すことで二神の躍動がいっそう際立ち、雲や稲妻の曲線がボディの縦長に心地よく収まります。塗り込めず、抜くところは抜く——その緩急が、小さな面積に大きな世界を宿します。
贈り物としての風神雷神
古来、風神雷神は天候を司り、豊穣をもたらす守り神でもありました。力強さと縁起の良さを兼ね備えたモチーフは、独立や開業の祝い、節目の記念にふさわしい一台。手渡す相手に「追い風と稲妻のような勢いを」という願いを込められます。
仕立てについて
中西工房では、表裏で金地の分量と顔料の彩度を丁寧に揃え、二神が同じ空気のなかで対になるよう仕上げます。屏風の名画を、毎日持ち歩ける嵐として手のひらにお届けします。








