デザインストーリー
自販機とカセットテープが教えてくれる、豊かな夜
昭和の喫茶店にも、アメリカのダイナーにも、なぜか同じ懐かしさを感じる瞬間があります。丸みを帯びた自動販売機、赤いビニールのダイナーシート、くたびれたカセットテープ——モノがまだ「道具」として愛されていた時代の空気を、一枚のZIPPOライターに閉じ込めました。
なぜ「静物」で語るのか
人やキャラクターを描かずに、モノだけで物語を語る。これは実は難易度の高い表現方法です。しかし、だからこそ見る人それぞれの記憶が投影される余白が生まれます。自販機のボタンの並び、カセットのラベルの傾き、椅子の擦れた質感——細部を丁寧に描き込むことで、単なる「レトロ風」ではなく「本当にそこにありそうな夜」を感じさせるデザインを目指しました。
職人の手仕事で、一つの物語に
静物画の面白さは、質感の描き分けにあります。金属の光沢、ビニールの艶、紙ラベルのざらつき。中西工房では、これらの質感の違いをオリジナルZIPPOライターの限られた面積の中でも損なわないよう、色数と線の太さのバランスを丁寧に調整しながら製作しています。
裏面のデザインについて
裏面は自販機のボタンやカセットの窓など、表のモチーフから抜き出した小さなアイコンを連続パターンとして配置しました。表の「一場面」に対して、裏は「その世界のディテール集」のような存在です。
使い込むほど、自分だけの色になる
真鍮素材は使うほどに独自の色艶へと変化していきます。赤とティールの鮮やかな配色も、年月とともに少しずつ落ち着いた表情に。新品の輝きと、使い込んだ渋さ、その両方を味わえるのがオリジナルジッポー製作の魅力です。
長く使える相棒であるということ
自販機やカセットテープが「モノを大事に使う」時代の象徴だとすれば、ZIPPOもまた同じ精神を持つ道具です。オイルを補充し、フリントを替え、必要なら分解して手入れする。使い捨てにしない前提で設計されているからこそ、何十年も相棒として持ち続けられます。このデザインが描く懐かしい静物のように、あなたの毎日にもそっと寄り添う一本になれば嬉しいです。
こんな方に、こんなシーンに
- 昭和・平成レトロやシティポップが好きな方に
- 音楽好き、カセット世代への贈り物に
- インテリアや雑貨感覚でライターを楽しみたい方に
自販機の光る夜を、手のひらの上に。











