デザインストーリー
夜のハイウェイに灯る、もうひとつの旅情
乾いた風とガソリンの匂い、遠くに霞む山並み——そんなアメリカ西海岸の夜を、一枚のZIPPOライターに閉じ込めてみました。モチーフは、誰もが一度は憧れるルート66のネオンサイン。夕闇に浮かび上がるダイナーの看板と、地平線まで続くハイウェイのシルエットを、シアンとマゼンタの光でドラマチックに描いています。
なぜ「ネオン×ハイウェイ」なのか
旅の記憶というのは、意外と派手な観光地よりも、こういう何気ない夜の景色のほうが強く心に残るものです。ふらりと立ち寄ったガソリンスタンドの看板、走り去る車のテールランプ、濡れたアスファルトに滲む光。そんな一瞬の情景を、写実的なタッチではなく、80〜90年代の日本のバイク雑誌やアニメのポスターを思わせる太い輪郭線とビビッドな配色でまとめました。実物に忠実であることよりも「見た瞬間に記憶へ焼きつく一枚絵」であることを優先したデザインです。
職人の手仕事で、一つの物語に
このネオンサインのデザインをオリジナルZIPPOライターとして製作するにあたり、中西工房では単なる印刷ではなく、真鍮の質感や角の丸みまで含めて「手に馴染む一点物」に仕上げることを大切にしています。ライターという小さな面積の中に、ネオンの発光感や奥行きをどう再現するか。光の滲みと影のコントラストをどこまで残すか。そこが職人の腕の見せどころであり、量産品にはない手仕事の説得力が生まれる部分です。
裏面のデザインについて
裏面は表のモチーフから抜き出した小さなアイコン——クラシックカー、サボテンのシルエット、星形のネオン——を連続パターンとして敷き詰めました。表がひとつのドラマなら、裏はその世界観を静かに支える背景音のような存在です。表裏どちらから見ても、同じ物語の続きが感じられるように配色を揃えています。
使い込むほど、自分だけの色になる
真鍮素材のZIPPOは、使い込むほどに手の脂や時間の経過で独特の風合い(パティーナ)が生まれていきます。ネオンサインの鮮やかな配色も、経年でわずかに落ち着いた発色に変化していくのが真鍮の面白いところ。買った日の派手さと、数年後の渋さ、その両方を楽しめるのがオリジナルZIPPOライターの醍醐味です。
長く使える相棒であるということ
ZIPPOの構造そのものが「使い捨てにしない」ことを前提に作られています。オイルを補充し、フリントを替え、必要ならパーツを分解して手入れできる。派手なデザインを纏っていても、中身は何十年も現役で使い続けられる実用品です。旅の記憶を刻んだこのデザインも、一度きりの記念品ではなく、これから先の旅にも連れていける道具として選んでいただきたいと考えています。ふとポケットに手を入れたときに、ハイウェイの夜を思い出す——そんな存在になれたら嬉しいです。
こんな方に、こんなシーンに
- 旅好き・ドライブ好きな方への贈り物に
- レトロなアメリカンカルチャーやバイクがお好きな方に
- 「派手すぎず、でも一目で目を引く」デザインを探している方に
オリジナルジッポーライターの製作は、既製品にはない自分だけの物語を持たせる行為でもあります。ルート66の夜を、あなたのポケットの中に。世界に一つだけのライターとして、日々の相棒にしてみてください。











