デザインストーリー
扇子の向こうの微笑み、パンダを抱く愛らしさ
すらりと伸びた背筋、艶やかなチャイナドレス、優雅に構えた一本の扇子。凛とした美しさを湛えた少女を表面に。そして扇子を置き、まるまるとしたパンダを愛おしそうに抱く、ふっとほどけた笑顔を裏面に。このデザインは、ひとりの少女に宿る「凛」と「可愛」という二つの魅力を、手のひらの表裏で描き分けた企画です。
人には、いくつもの顔があります。きりりと張りつめた表情の裏に、ふいにこぼれる無防備な笑顔。その落差にこそ、その人らしさが宿るのだと思います。このデザインは、そんな二面性を一台に閉じ込めました。眺めるほどに、ひとりの少女の人となりが立ち上がってくる。そんな奥行きを大切にしています。
凛として、艶やかに
表面の主役は、チャイナドレスをまとった少女の気高い佇まいです。体の線に沿う流麗なシルエット、裾や襟に施された緻密な刺繍、髪を飾る中華風の髪飾り。赤と金、そしてクリームを基調にした配色が、東洋の華やかさと格調を同時に立ち上げます。
扇子を優雅に構えるポーズには、ちゃんと意味があります。顔の半分をそっと隠すことで、かえって視線が引き寄せられ、微笑みに謎めいた奥行きが生まれる。開いた扇のなだらかなカーブが画面にリズムを与え、静かなのにどこか艶っぽい。大人びた美しさを、上品なまま表現することを狙いました。扇子という小道具ひとつで、少女の物腰までも語らせる。そんな細やかな演出を積み重ねています。手元のしなやかな所作にまで、育ちのよさがにじむように描きました。ドレスに走る金糸のきらめき、結い上げた髪から覗くうなじの潔さ。細部のひとつずつが、この少女の芯の強さを静かに物語ります。艶やかでありながら、決して崩れない品格。その均衡を保つことに、いちばん心を砕きました。
抱きしめたくなる、もう一つの顔
裏面では、同じ少女がまったく違う表情を見せます。凛とした扇子を手放し、代わりに抱えているのはふわふわのパンダ。頬をゆるめ、無防備に微笑む姿は、表面の気高さとは正反対の愛らしさです。
この落差こそ、デザインの醍醐味です。憧れるような美しさと、思わず抱きしめたくなる可愛さ。相反する二つの魅力が同じ少女に同居しているからこそ、その人柄がぐっと立体的に感じられます。しかもパンダという中華圏を象徴するモチーフを添えることで、和洋折衷に流れず、あくまで中華の世界観で最後まで統一しました。表で背筋を正し、裏で頬をゆるめる。手のなかで返すたびに、少女の別の一面に出会えます。凛としたあの子が、こんなに可愛く笑うのか――そんな小さな発見が、この一台には仕込まれています。
統一されたモチーフと配色
刺繍の柄、髪飾りの意匠、色づかい。表裏を通して中華モチーフと配色を厳密に揃えることで、別ポーズでありながら「同じ子」だと一目でわかります。この一貫性が、凛と可愛の対比をかえって鮮やかに際立たせています。似ているからこそ、違いが引き立つ。それが対のデザインの妙味です。表の凛々しさを覚えたまま裏を返すと、そのギャップがいっそう愛おしく感じられる。人の心が動くのは、いつだってこうした落差の瞬間なのだと思います。
露出を抑えた、上品な魅力
チャイナドレスの華やかさは残しつつ、露出は抑え、佇まいと表情で魅せることを大切にしました。全年齢で楽しめる、健やかで上品な萌えキャラ路線です。誰の手のなかにあっても心地よい、そんな品のよさを大切にしています。
手のなかで巡る、二つの魅力
このデザインを載せるのは、無骨で頼れる金属ケース。オリジナルZippoライターとして仕立て、名入れやアレンジを重ねれば、世界にひとつの一台になります。小さな面に緻密な刺繍を落とし込むからこそ、近くで眺めるほどに発見がある。それが金属工芸としての面白さでもあります。
刺繍の一針、扇の一筋、パンダの毛並みの一本まで、色と線を丁寧に調整して仕上げていきます。
中西工房では、こうしたキャラクター企画のオリジナルジッポー製作を、一台から丁寧に承っています。凛とした横顔と、ほころんだ笑顔。相反する二つの魅力を手のなかに携えて、あなたの物語の一部にしてみませんか。眺めるほどに親しみが増していく、そんな長く付き合える一台をお届けします。











