デザインストーリー
雲の上に、もうひとつの世界
地上からは決して見えない場所に、その城はひっそりと浮かんでいる——そんな情景を、オリジナルZIPPOライター製作の新作に描きました。雲海の上、光が差し込む一瞬にだけ姿を現す幻想的な古城。尖塔にまとわりつく淡い霧と、金色に染まる雲の輪郭を、一枚の絵画のように丁寧に描き起こしています。忙しい毎日の中で見上げる空も、視点を少し変えるだけできっと違う表情を見せてくれるはずです。
なぜ「浮かぶ城」なのか
地に足をつけて生きる私たちにとって、空に浮かぶ城はどこか手の届かない憧れの象徴です。けれど懐にこの一本を忍ばせることで、そのわずかな距離が縮まるような感覚を届けたいと考えました。雲海というモチーフそのものが、日常と非日常を分ける境界線として機能しています。誰しもが幼い頃に一度は思い描いたことのある「あの雲の向こうには何があるのだろう」という素朴な問いを、大人になった今もう一度呼び覚ましたいという願いも込めています。
光条が語るもの
雲間から差し込む光の筋は、単なる背景の装飾ではありません。見えないものへの手がかり、進むべき方向を示す小さな道標として描いています。ZIPPOライターの蓋を開けたときに灯る炎もまた、暗がりの中で進む先をそっと照らす、同じ性質を持つ光条のような存在だと感じています。光と影のコントラストを強めに描くことで、絵の中に一瞬の静けさと動きの両方を閉じ込めました。
表と裏、ふたつの視点
表面には物語の主役である城そのものを、裏面には城を包み込む雲と光をseamlessパターンとして展開しました。単体で眺めれば一枚の風景画、連続すれば連続模様として楽しめる、二重の仕掛けを仕込んでいます。ライター全体を眺めたとき、雲海に包まれた城という世界観がぐるりと一周する構成です。蓋を開ける表側と、手のひらで包む裏側、それぞれで異なる楽しみ方ができるように設計しました。
旅情と静けさが同居する一本
遠くへ行きたい、でも今はここにいる——そんな相反する気持ちに寄り添うのが、このデザインの狙いです。喧騒から少し距離を置きたい夜に、机の上にそっと置くだけで、雲の上の静けさを思い出せるような一本を目指しました。旅行が好きな方はもちろん、なかなか遠出ができない忙しい日々を送る方にも、小さな逃避行のような時間を届けたいと思っています。
幻想画としての質感へのこだわり
絵画的な筆致にこだわり、輪郭をあえて滲ませることで、写真のような正確さよりも「記憶の中の景色」のような曖昧さを大切にしています。誰もが一度は思い描いたことのある、遠い国の物語の一場面のような佇まいを目指しました。細部を描き込みすぎないことで、見る人それぞれの想像力が入り込む余地を残しています。
色彩に込めた時間の流れ
金色に近いアンバーと淡いラベンダーのグラデーションは、夜明けとも夕暮れとも取れる曖昧な時間帯を意図的に選んでいます。一日の始まりにも終わりにも寄り添える色使いにすることで、朝に眺めても夜に眺めても、その時々の気分に応じた表情を見せてくれる一本になりました。
節目に贈る、雲の上の景色
進学や転居、新しい挑戦を控えた人への贈り物としてもおすすめです。まだ見ぬ景色へ向かう背中を、そっと押せるモチーフとして選びました。オリジナルジッポー製作という工程を通じて、その人だけの「雲の上の城」を形にできればと思います。
手に取るたびに違う表情を見せる
光の角度や雲の重なり方は、眺めるたびにわずかに違う印象を残してくれます。派手な演出をせず、静かな幻想を積み重ねることで、長く付き合える一本に仕上げました。日々のポケットの中に、小さな空の旅をひとつ、そっと忍ばせてみてください。
城という建築が持つ物語性
城は本来、権力や防衛のために築かれた実用の建造物ですが、時代を経るごとに人々の想像力の中で幻想の器へと姿を変えてきました。おとぎ話や神話に登場する城の多くが、実在の建築を超えた「憧れの象徴」として描かれてきたように、このデザインでも実在感よりも物語性を優先しています。
コレクションとしての広がり
このシリーズでは、空・海・山といった大きな自然の中に佇む幻想的な建造物や情景をモチーフに展開しています。天空の城を起点に、海底の遺跡や、雲海に浮かぶ灯台など、異なる舞台を巡るように集めていただくのも、このシリーズならではの楽しみ方です。
光と影の技法
絵の中の光は、単に明るさを示すだけでなく、鑑賞者の視線を導く役割も果たします。城の輪郭に沿って光を強めに配置することで、自然と目が城へと吸い寄せられるよう構図を計算しました。技術的な工夫を積み重ねることで、直感的に美しいと感じてもらえる一枚を目指しています。











