デザインストーリー
水のなかに、季節をしまう
初夏は、空気が湿りはじめて光がやわらかくなる、不思議な季節です。まだ夏ではないけれど、もう春でもない。その曖昧な数週間にだけ感じられる「涼」を、手のひらに収まる金属の上へ閉じ込めたのが、この金魚のデザインです。
藍に沈む水面、ゆらりと尾を引く朱の金魚、そして立ちのぼる小さな気泡。眺めているうちに、縁側で風鈴を聞いていたような記憶がふっと戻ってきます。
三色だけで描く、静けさ
このデザインは、藍・朱・金のたった三色で構成しています。色数を絞ると、かえって一つひとつの色が深く見える。金魚の朱は華やかすぎず、金は控えめに光り、藍がすべてを落ち着かせる。大人の手元にそっと馴染むよう、あえて静かなトーンでまとめました。
表面は金魚そのものを主役に、裏面は同じ金魚を小さく散らした連続パターン。表で語り、裏で余韻を残す。手に取って裏返したときの、ささやかな発見も楽しんでいただけます。
火を入れるたびに、涼を思い出す
金魚は古くから、涼と縁起の象徴とされてきました。揺れて泳ぐ姿は「滞らない」「めぐる」ことの象徴でもあります。火を点けるたびに、ほんの一瞬、水のなかの静けさを思い出す——そんな道具があってもいい。
オリジナルZIPPO(ジッポー)ライター製作として、一面ずつ丁寧に仕上げます。贈り物にも、自分のための小さな贅沢にも。初夏のあいだだけ手元に置きたくなる、季節を纏うライターです。








