デザインストーリー
落書きとステッカーの境界線
スプレーで描いたような落書きと、ぺたぺた貼ったステッカー。この二つが渾然一体となっていたのが、2000年代のストリートカルチャーでした。持ち物にスマイリーのシールを貼り、ノートの端に落書きをする。誰でもできる小さな自己表現が、街のあちこちに溢れていました。壁や電柱に描かれたグラフィティを横目に見ながら、自分だけの小さな落書きを積み重ねていく。そんな日常の延長線上にこのデザインはあります。
"SMILE" という一言
このデザインの主役は、バブルレタリングで描いた "SMILE" の文字です。スマイリーフェイスと落書き風のスクリブルに囲まれながら、蛍光グリーンからイエローへのグラデーションの中でひときわ目を引くように配置しました。難しいメッセージではなく、シンプルな一言だからこそ持つ強さを大切にしています。長い言葉よりも、たった一言の方が心に残ることがあります。
蛍光グリーンが持つ軽やかさ
重くなりがちな「主張」を、蛍光グリーンの軽やかさが受け止めてくれます。見た瞬間にふっと笑えるような、そんな空気を狙いました。雑誌の切り抜きを差し込むことで、手作りの落書きノートのような温度も残しています。整いすぎたデザインではなく、走り書きのような勢いを大切にしました。
スクリブルという表現
輪郭を丁寧に描くのではなく、勢いのままに引いた線。そのラフさこそがグラフィティの魅力です。今回のコラージュでも、完璧な仕上がりよりも、手が止まらずに描き続けたような自由な線を意識して構成しています。
Zippoライターに込めるメッセージ
Zippoライターは、持ち主のそばに長く寄り添う道具です。そこに "SMILE" というシンプルな言葉を刻むことで、開けるたびに少し前向きな気分になれるような、そんなお守り的な意味を込めました。自分用にも、元気づけたい誰かへの贈り物にも。
裏面は文字なしで軽やかに
裏面は同じ蛍光グリーン×イエローのスマイリー×落書きコラージュですが、あえて文字を入れずに構成しています。表の "SMILE" が主役として際立つよう、裏はビジュアルの賑やかさで支える役割です。
一文字ずつ描くバブルレター
バブルレタリングは、線を太く丸くすることで文字自体に愛嬌を持たせる書き方です。今回の "SMILE" も、角ばった文字ではなくあえてぷっくりとした丸みを持たせることで、スマイリーフェイスと同じ温度感を持つ文字になるよう調整しました。文字もまた、ひとつのキャラクターとして描いています。
気分を切り替える小さなスイッチ
ポケットからライターを取り出すたびに "SMILE" の文字が目に入る。それだけで、気分を切り替える小さなスイッチになればという思いを込めました。落ち込んだ日も、忙しい日も、ふとした瞬間に自分を励ませるような、そんなお守りとして持っていただけたら嬉しいです。
誰かを励ますための一本として
自分自身へのお守りとしてはもちろん、少し元気のない友人にそっと差し出したくなるような一本にもなればと考えています。言葉で励ますのが照れくさいときも、こういったアイテムがひとつあるだけで、気持ちを伝える助けになってくれるはずです。
街角の落書きから生まれる連帯感
誰が最初に描いたのか分からないグラフィティが、いつの間にか街のあちこちに広がっていく。そこには、顔も知らない誰かと緩やかにつながっているような不思議な連帯感がありました。今回のスマイリーと "SMILE" の文字も、特定の誰かに向けたものではなく、見た人みんなに小さく微笑みかけるような、開かれたメッセージとして描いています。持ち主だけでなく、ふと目にした人の気分も少し軽くできたら嬉しいです。
誰のものでもあり、誰かひとりのものでもある
グラフィティやステッカーは、街という公共の場に置かれながらも、見る人それぞれの心に個人的な形で届くという不思議な性質を持っています。このデザインの "SMILE" も、大勢に向けたメッセージでありながら、手にした一人ひとりにとって特別な一言になるよう、シンプルさにこだわって仕上げました。
小さな一言が持つ大きな力
たった五文字の "SMILE" でも、受け取る人の一日を少し変えてしまう力がある。そんな言葉の可能性を信じてデザインしました。










