デザインストーリー
箱を開ける前の、あの数秒
模型店の棚に並んだプラモデルの箱には、いつも完成品よりも大げさなくらいドラマチックなイラストが描かれていました。実物よりも速く、実物よりも格好良く見えるその一枚を眺めているだけで、まだ手を付けてもいないのに胸が高鳴る。あの独特の高揚感を、今回はZippoライターのデザインとして再構築しました。
コーナーを攻める一瞬を切り取る
モチーフはネイキッドスポーツバイク。車体を深く傾け、コーナーを攻める一瞬を低いアングルから捉えています。プラモの箱絵らしく、実際の走行シーンよりも誇張されたスピード感と、金属パーツのハイライトを強調したタッチでまとめました。写実というより「格好良さの最大値」を狙う、あの独特の絵作りを意識しています。
斜め構図というお約束
箱絵には、画面を斜めに切り裂くような大胆な構図が多く使われます。静止した状態では伝わらない疾走感を、傾いたレイアウトそのもので表現する手法です。今回のデザインでも、車体を対角線上に配置し、見た瞬間にスピードを感じられる画面作りを徹底しました。
技術的な線画のアクセント
完全にイラストだけで終わらせず、エンジンやフレームの一部に技術図面のような細い線を差し込んでいます。派手な絵の中に潜む精密さこそが、プラモデルという趣味の面白さです。格好良さと精巧さ、両方を一枚の中に共存させることを目指しました。
Zippoライターという相棒に
組み立てる楽しみを知っている人にとって、Zippoライターもまた長く付き合う「相棒」のような存在です。手をかけて仕上げていく喜びという点で、プラモデルとライターには通じるものがあると感じています。ガレージに置いても、ポケットに入れても様になる一本を目指しました。
裏面のリアアングル
裏面には同じ車体を、リア三分四のアングルから捉えたコラージュを配置しています。表のコーナリングショットと呼応しながら、火花や流れる光の描写で走り抜けた直後の余韻を表現しました。
こんな人に
バイク好きはもちろん、プラモデルや模型趣味に親しんできた方への贈り物にもおすすめです。棚の上に置いておくだけで、あの頃の高揚感を思い出させてくれる一本になるはずです。
誇張の中にある嘘のない情熱
箱絵の誇張表現は、決して大げさなだけの見せかけではありません。実際にバイクを走らせたことがある人なら分かる、コーナーで車体を倒し込むときの緊張感、加速する瞬間の高揚感。それらの感覚を絵として増幅させているだけで、根底にある熱量そのものは嘘偽りのないものです。今回のイラストも、そうした本物の情熱を土台に描いています。
何度も見返したくなる密度
箱を開けるまでの数日間、何度もパッケージを見返してしまう。そんな経験がある方も多いはずです。今回のデザインも、一度見て終わりではなく、細部に目を凝らすたびに新しい発見がある密度を目指しました。ハイライトの入り方、速度線の角度、ひとつひとつに意味を込めています。
傷つくことを恐れない道具として
プラモデルは完成させた後も、飾って眺めるだけでなく、時には落として傷をつけてしまうこともあります。それでも愛着は薄れない。この一本も同じく、使い込むほどに味わいを増していく道具です。傷や使用感さえも愛せる、そんな価値観を共有できるモチーフだと考えています。
一台だけの走りを想像する
量産されたバイクであっても、乗り手によってその走りは一台ごとに違う表情を見せます。今回のイラストのバイクにも、特定のモデルを模すのではなく、見る人それぞれが「自分の一台」を思い描けるような、普遍的でありながら個性を感じさせるフォルムを意識しました。
見るたびに違う角度から発見がある、そんな密度を持つ一本に仕上がったと思います。
光の反射がもたらす質感の説得力
金属パーツを描く上で最も重要なのは、光の反射をどう扱うかという点です。今回のイラストでは、エンジンの冷却フィンやマフラーの曲面に沿って光が滑らかに変化していく様子を丁寧に描き込み、見る角度によって輝き方が変わるような立体感を目指しました。塗装だけでは伝わらない、金属そのものの質感を追求しています。
誰かに見せたくなるデザイン
ポケットからさりげなく取り出したときに、思わず「それ格好良いね」と声をかけられる。そんな一本になることを目指してデザインしました。派手すぎず、それでいて確かな存在感を放つバランスに、時間をかけて調整を重ねています。










